デジモン

酔っ払い

「ごぉじろぉ・・・」「・・・何ですか」「俺は、もう、ダメだぁ・・・」もう5回も繰り返したこの会話に、光子郎はため息をつく。どうしてですか?と聞くべきなのか。悩みつつも呆れつつ、酔いつぶれている太一を横目に散らかった部屋を着々と片付けていく。…

懐かしい?思い出

「ライブまでに死ぬ気で勉強しなきゃなぁ」「まぁ、頑張れ。というかライブとか行くんだなお前」「行くわよ!これでも昔、結構色んなバンドの曲聴いてたのよ?」「へぇ?例えば?」「最近テレビに出るようになったけど、〇〇は最初の方から知ってるし、▽△と…

静かに欠ける

小学生にとって待ちに待った夏休みも風のように過ぎ去り、夏の暑さが少しだけ残る9月。学校が終わった丈と隆一は一緒に歩道を歩いていた。「それでな、パスを出したところを俺がカットしてやったら相手びっくりしてさ!」「あのカットは誰でもびっくりするよ…

大事な物

「あれ・・・・?ここじゃないのか・・・」街がもうすぐ眠りにつく頃。どこかから聞こえてくる虫の鳴き声だけが聞こえる静かな夜に、ガサゴソと物をしきりに動かす音が寝室で聞こえてきた。もうすぐ就寝時間ということもあり、リビングのテレビを消して寝室へ…

喧嘩

「丈!」ヤマトの声が耳を突きさす。その声にはいつもの優しさは欠片もなく、ただ怒りで支配された荒々しい声。突き刺さった声に足を止めるも振り返らない。ムカムカと奥底から湧き上がる苛立ちを押し殺してゆっくりと口を開けた。「・・・ちょっと、頭冷やし…

一歳差

 「誕生日おめでとう」家のドアを開けた途端に目の前にプレゼントを差し出される。目を丸くするヤマトとは対照的に、丈はいたずらに笑って見せた。「・・・ありがとう」「反応薄いなぁ」「玄関で渡すか?普通」文句を垂れる丈を家の中に招き入れる。紅茶か何…

夏の日の目撃者

今年もおめでとう!!!お台場メモリアル!!! というわけで今年もどうやってお祝いしよう~~って悩んで書きました。 あの日見た憧れは、何年経ったとしても輝き続けてほしい。 そんな思いを込めたお話になっております。