ワンドロ「ハロウィン」
今日の夜がいつもの夜と雰囲気が違うことに気づいたのは、塾が終わり、しばらく歩いた時だった。街中がカラフルに彩られ、すれ違う人々は思い思いの仮装をして街を歩いている。お化けやゾンビ、ナースや警察官などの格好をした人から、流行りのアニメのコスプ…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト
ワンドロ「違う制服」
「まずい、もうこんな時間だ・・・」放課後。日直の当番を終わらせて教室の時計を見た丈は、焦った様子で荷物をまとめてクラス名簿を持つと、教室の鍵を施錠して足早に職員室へ向かった。高校生になった春の日、丈とヤマトはめでたく恋人になった。お互い長い…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト
キスの日
キスの日。そんな日があることを知ったのはSNSのトレンドからだった。気になってタップしてみると様々なキャラクターの創作イラストで溢れている。もしかしてそういう類だけの話なのかと思って検索してみたところ、しっかりと由来があるようだった。「何調…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,ヤマ丈,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト
ずるずる片思い
「光子郎、高校受かったらしいね」そう話した丈の口から白い息が漏れて消えていく。冬に比べれば随分暖かくなったと思ったが、春と呼ぶにはまだ早いらしい。両手を温めるように持った温かいお茶を、ヤマトはひと口飲み込んだ。「らしいな。太一から聞いたよ」…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,ヤマ丈,城戸丈,石田ヤマト
桜が咲く前に
空っぽの部屋の中に静かに風が吹く。優しい陽だまりが茶色いフローリングからあぐらをかいた丈の足元を照らしていた。「なんもねぇな」後ろから聞こえた声に振り返ると、廊下から出てきたヤマトが丈の隣に座り込む。カーペットの無くなったフローリングは痛く…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト
雨音
「うわ・・・」灰色の空から大粒の雨が降り出していた放課後。突然の雨に立ち尽くすヤマトの横を生徒たちは傘をさして歩いていく。出かける前に「今日は一日晴れるでしょう」とテレビの中で笑って送り出した天気予報士を信じたヤマトの手に中にはもちろん、傘…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,ヤマ空,武之内空,石田ヤマト
懐かしい?思い出
「ライブまでに死ぬ気で勉強しなきゃなぁ」「まぁ、頑張れ。というかライブとか行くんだなお前」「行くわよ!これでも昔、結構色んなバンドの曲聴いてたのよ?」「へぇ?例えば?」「最近テレビに出るようになったけど、〇〇は最初の方から知ってるし、▽△と…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,石田ヤマト
無題
パスワードは英語表記のCP名です。
CPはタグに記載されています。
デジモン 小説R18,デジモンアドベンチャー,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト
大事な物
「あれ・・・・?ここじゃないのか・・・」街がもうすぐ眠りにつく頃。どこかから聞こえてくる虫の鳴き声だけが聞こえる静かな夜に、ガサゴソと物をしきりに動かす音が寝室で聞こえてきた。もうすぐ就寝時間ということもあり、リビングのテレビを消して寝室へ…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,城戸丈,石田ヤマト
喧嘩
「丈!」ヤマトの声が耳を突きさす。その声にはいつもの優しさは欠片もなく、ただ怒りで支配された荒々しい声。突き刺さった声に足を止めるも振り返らない。ムカムカと奥底から湧き上がる苛立ちを押し殺してゆっくりと口を開けた。「・・・ちょっと、頭冷やし…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト
一歳差
「誕生日おめでとう」家のドアを開けた途端に目の前にプレゼントを差し出される。目を丸くするヤマトとは対照的に、丈はいたずらに笑って見せた。「・・・ありがとう」「反応薄いなぁ」「玄関で渡すか?普通」文句を垂れる丈を家の中に招き入れる。紅茶か何…
デジモン 小説デジモンアドベンチャー,丈ヤマ,城戸丈,石田ヤマト